【危険度】
●ニナワ県(以下に規定するニナワ平原経由幹線道路を除く。)、キルクーク県、サラーハッディーン県、アンバール県、バグダッド県(以下、ただし書き付きのレベル4エリアを除く地域)、ディヤーラ県、バービル県、ワーシト県、並びにクルディスタン地域(エルビル県、スレイマーニーヤ県及びドホーク県)のニナワ県、キルクーク県、サラーハッディーン県及びディヤーラ県との県境付近。
レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)(継続)
●エルビル県エルビル市とドホーク県ドホーク市間を移動する場合に通過するニナワ県のカラク、バーダラシュ、ルビア及びバーダラを経由する幹線道路並びにこれ以北のニナワ平原を通過する幹線道路(以下「ニナワ平原経由幹線道路」という。)、並びにバグダッド国際空港とインターナショナルゾーン(以下IZ)を結ぶ空港道路(ルート・アイリッシュ)、バグダッド県のIZ、ガディール区(イマーム・アリー道路(N6号線)及び同道路より南西の地域)、アーザミーヤ区、ルサーファ区、マンスール区、カルク区、カッラーダ区、ドーラ区(ドーラ高速道路以北の地域)及びラシード区(高速道路1号線以東の地域)。
レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)(継続)
(真にやむを得ない事情で、これらの道路を通過又はこれらの区域に渡航・滞在する場合は、現地大使館と緊密に連絡を取りつつ、信頼できる警備会社のアドバイスを受け、安全な宿舎の確保、警護員の同行、防弾車両による移動を含め、所属企業や団体等を通じて組織としての必要かつ十分な安全対策をとってください。)
●エルビル県(エルビル市並びにニナワ県、キルクーク県及びサラーハッディーン県との県境を除く)並びにスレイマーニーヤ県及びドホーク県のトルコ、イラン又はシリアとの国境付近
レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)
●中南部・南部7県(カルバラー県、ナジャフ県、ディワーニーヤ県、バスラ県(バスラ国際空港敷地内を除く。)、ムサンナー県、ズィーカール県及びミーサーン県)
レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)
(真にやむを得ない事情でこれら地域に渡航・滞在する場合には、現地大使館と緊密に連絡をとりつつ、信頼できる警備会社のアドバイスを受け、安全な宿舎の確保、警備員の同行、防弾車両等による移動を含め、所属企業や団体等を通じて組織としての必要かつ十分な安全対策をとってください。)
●バグダッド国際空港敷地内(バグダッド国際空港敷地内のホテル及びイラク航空国際ビジネスセンターを含む)並びにバスラ国際空港敷地内
レベル3:渡航はやめてください。(渡航中止勧告)(継続)
(真にやむを得ない理由からこれら施設敷地内に立ち入る、又は滞在する方は、信頼できる警備会社のアドバイスを受け、空港敷地内での滞在期間を必要最小限にするなど、所属企業や団体等を通じて組織としての必要かつ十分な安全対策をとってください。)
●エルビル県エルビル市、並びにスレイマーニーヤ県及びドホーク県のうちトルコ、イラン又はシリアとの国境付近並びにニナワ県、キルクーク県、サラーハッディーン県及びディヤーラ県との県境付近を除く地域
レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)
【ポイント】
●イラクでは、2017年12月に政府がイスラム過激派組織「イラク・ レバントのイスラム国」(ISIL)からの全土解放を宣言しましたが、ISIL分子によるテロが引き続き発生していること、国民議会選挙後の政府形成プロセス時の抗議活動の激化及びこれに関連した民兵組織同士の武力衝突、親イラン民兵による即席爆弾やロケット弾攻撃等を踏まえ、レベル3以上の地域への渡航は止めてください。
●イラク駐留米軍は、2021年12月31日をもって戦闘任務を終了しましたが、それ以降、米軍を含む有志連合軍は、イラクにおいて助言・支援・訓練任務を継続しています。これに対し、親イラン民兵組織等による主に米国権益への攻撃が継続していることから、引き続き米国権益を標的としたロケット攻撃、幹線道路での簡易即席爆弾等の流れ弾・誤爆等に巻き込まれないよう警戒が必要です。
●2021年1月21日、バグダッド中心部のタヤラーン広場付近の市場で、自爆ベストを用いた無差別テロが発生し、死者32名、負傷者110名にのぼる大事件となりました。また、同年7月19日、バグダッド東部のサドル・シティー区にある市場で発生した自爆テロでは、35名が死亡、57名が負傷しました。いずれのテロ事件もISILが犯行声明を発出しており、人が多く集まる場所や米国が関係する祝祭日、宗教祭事期間中は特に警戒が必要です。
●2021年9月5日、エルビル市内で複数のテロ攻撃を計画していたISILの工作員7名が治安当局に逮捕されました。捜査における供述によると、外国人が頻繁に訪れる場所や市内で最も人が集まる城塞付近の市場で、車両爆弾テロを企てていた模様です。さらに同市内で、車両に仕掛けられた簡易即席爆弾が爆発し、治安当局者4名が死傷する事件も発生しています。さらにエルビル国際空港や米国総領事館付近でもロケット弾やドローン攻撃が発生しています。これまで比較的治安が保たれていたエルビルにおいても、人が集まる場所や標的となった場所には近寄らない等注意が必要です。
●2021年10月10日にイラク国民議会選挙が行われたものの、政府形成プロセスが難航し、2022年7月以降、IZ内を含めサドル派支持者による大規模な抗議活動が頻発しました。同年8月29日にはサドル師による突然の政界引退表明に伴い、サドル派支持者がIZ内に流入し、一時銃撃戦に発展し、その後も断続的なロケット弾攻撃等が発生しました。銃撃戦は翌日にサドル師による撤退表明により鎮静化し、その後、同年10月にはラシード大統領の就任及びスーダーニー首相の下での組閣が行われ、現在は一定の政治的安定が見られ、同地域の治安が改善傾向にあり、武力衝突やロケット攻撃等の深刻な事案は発生していません。
【危険情報】イラク
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